生育歴サンプル ADHDの女の子
女性ADHDの生育歴
今回は少し自分語りをしようと思います。
ブログにいらっしゃった方の中には、自分あるいは自分の子が発達障害だと疑っている方がいるかもしれないと思いました。
12歳までの生育歴を簡単にまとめましたので、生けるサンプルとして参考にしていただければ幸いです。
医者から反応があった点は太字にしました。
幼少期
0歳
よく寝る子で、泣きもせず、手間のかからない子だったとのこと。7ヵ月〜1歳ごろまで抜毛をして、頭の後ろの毛が無くなっていた。
1歳〜3歳
言葉が遅く、二歳になっても二語文(ゴハン/タベル)が出ない。「アンパンマン」の「マン」まで言えず、アンパン、となる。
3歳になった途端、堰を切ったように喋り出す。
4歳〜5歳
特に知能に遅れはなく、優秀な子だったという。何をやらせてもそつなくこなし、覚えが早いと褒められていた。
親と買い物に行く時、毎回はぐれる。
自分の感覚としては、いつの間にか親が消えているのだが、親曰くその辺にあるものに夢中になっていたとのこと。
売り物を勝手に触り、汚したり壊したりしていた。
よく転ぶため、たくさんの怪我をしていた。
運動会の待ち時間で突然親元から失踪した。
友人関係が長続きしない。
いつも話していた子から、「いつも喋りすぎでうるさい!」とブチ切れられ、絶交。
児童期
6歳〜12歳
小学校の成績は優秀。
授業中立ち歩いたりすることもなく、積極的な発言をする活発な子だったとのこと。
動いていないと落ち着かず、学校では木登りをし、家ではソファーで飛び跳ねていた。
絵が得意で、何度か額縁に入れられて校内に飾られた。
ゲームにのめりこむようになり、女の子は弱くて張合いがなく、話が合わなくなったため、男の子とばかり遊んでいた。
四六時中ゲームするか、攻略本を見て詳細なデータを覚えるか、ゲームの絵を描いていた。
- 授業中
授業中は常に内職していた。
絵を描いたり、消しかすを集めて練り消し作りの研究をしたり、机に空いた穴をいじったり。
教師が言っていることが理解出来た瞬間、続きの話を聞いていなかった。
聞き漏らしがあっても教科書を見てすぐに追いつけるので、通常授業で苦労はなかった。
内職はしていたが、騒いだりせず、提出物やテストは満点のため、教師から指摘されたことは一度もなかった。
体育の集団行動は嫌いで、終始砂いじりをして先生の説明を聞かず、移動のために周りが動き出したのに合わせて流れに身を任せていた。
机は綺麗に片付けていた。
- 忘れ物
時間割と宿題は生活のルーチンに組み込まれていたため、忘れはほぼなかった。
ただし、図画工作の材料や調理実習のエプロンなど、特殊な持ち物になると、親に伝え忘れて準備出来ないことが多かった。
前日夜に思い出して親を困らせていた。
また、給食集金の連絡を忘れることが多く、集金日の朝保護者が来ているのを見てから思い出し、親に怒られていた。
毎月、2〜3人忘れる人が出るが、その常連だった。
- 習い事
クラシックバレエを習っていた。
遅刻が多すぎて、自分1人だけ開始30分前に外で待つように指導を受けた。そこから少しでも遅れれば、その日はスタジオに入らせないと宣言された。
発表会の日に衣装を忘れた。
ゲネプロ(本番前のリハーサル)の時間を潰して、泣きながら走って取りに戻った。その日は忘れないように玄関前に衣装を置いておいたのに、出かける直前で時間が迫り、靴を履く時に衣装のことを忘れてしまった。
振付の順番を覚えることが誰よりも下手くそだった。
通常のバレエレッスンでは毎回その場で振付の順番が決まり、先生のお手本を見て覚えた後、音楽を鳴らして踊る。
いつもこの「順番」覚えに苦労していた。
発表会やコンクールは同じ振付を何度も練習するので、本番までには覚えられた。
女の子のADHDは気付かれにくい
ADHDの男児は、授業中立ち歩きや乱暴など、ザ・問題児のような振る舞いをすることが多いようです。とてもわかりやすいですね。
女の子は、頭の中が多動です。
一見、ぼーっとしているようで、頭に浮かぶイメージを追いかけることに夢中です。
授業中は静かにできる子が多いと思います。集団行動がちょっと苦手でも、先生は騒々しい子の処理で手一杯で、見て見ぬふりをされていたのかもしれません。
ADHDと創作活動は相性が良いと思います。
多動の頭の中が、作品に発揮されると優れた成果物となるはずです。
アウトプット作業をすることで、頭にあるイメージと実際の手の動きに時間の差が発生します。
作業に時間を取られる分、走り去ろうとするイメージをとどまらせ、思考を整理することができます。
時間管理・忘れ物は日々の生活に組み込み、癖付するのが良いと思います。
やりなさい!早く出なさい!と怒られても、やること自体を忘れ、また怒られてしまう繰り返しで、自己嫌悪に陥ります。
その上、ADHDは、段取り力が欠如しています。
例えば、「確認しなさい」という単純な指示だけではうまく動けません。
「確認」作業において、何を用意して、どう進めれば完了するかの想像や、所要時間の見積ができません。
実際に行う動作を細分化し、抜け漏れが無くなる仕掛けを交えながら、必要な段取りを定型の人と一緒になぞりながら身体に覚えさせてしまうのが良いと思います。(特大ブーメラン)